「五月の鯉の吹き流し」五節句の一つ、端午の節句は、古来「菖蒲」は「尚武」に通ずることから、男子の節句として今に続いています。
さてこの度は、三代目歌川豊国の晩年の大作「役者見立東海道五十三駅」(140枚)を2ヶ月にわたり展示します。最初目録付の役者を配した東海道55駅、更に55駅が加わり、歌舞伎の役柄により間の宿が加わり、目録を含め140枚が作られました。当館では119枚所蔵を原点に、10年かかって140枚の蒐集に成功。ここに日本唯一の全揃が完成しました。正にコレクターの醍醐味といえます。
天保の改革以来、役者絵御法度が続いていた時、似顔絵当代随一の豊国の豪華な役者絵シリーズは、一大ブームを巻き起こしました。
本展覧会に当り、新藤茂先生、岩切友里子先生にご指導頂いたことを、感謝申し上げます。
川崎・砂子の里資料館館長
斎藤 文夫
5月26日から7月22日まで、フランス・アルビのロートレック美術館に於いて、当館所蔵の浮世絵名品展を開催いたします。日仏文化交流を通じ日本の誇る浮世絵を、世界の人々に鑑賞していただけることは、コレクターの本懐であります。ご声援下さる様お願いいたします。
幕末の浮世絵界の大御所三代目豊国が、東海道各宿の風景とゆかりの歌舞伎人気役者を配し、「役者見立東海道」を嘉永5年春(1851)から発行した。
天保の改革で役者絵ご法度が長く続いていたが、役者絵の第一人者豊国が、各宿や間の宿に役者を配し、稀に見る140枚(目録含)の大作シリーズとなった。
特に岡崎駅の四代目中村歌右衛門扮する政右衛門は、7000枚も売れて、大変な話題になったという。
彫師・摺師とも幕末に活躍した一流の職人を使い、三代目豊国の作品を盛り立てた。
川崎・砂子の里資料館館長
斎藤 文夫
2012©川崎・砂子の里資料館